日経平均先物(期近) 1分足チャートと出来高
イベント:[10:15]中国・人民元基準値 発表
朝方は一進一退で始まった株式相場の雰囲気が一変したのは、中国市場が動き始めてからだ。
10時15分過ぎに中国人民銀行(中央銀行)が人民元の売買の基準値を2011年3月以来ほぼ4年10カ月ぶりの安値水準に設定した。
当局が為替の切り下げを必要とするほど中国経済の状態が悪いとの懸念が膨らみ、比較的安全な資産とされる円買いが強まる展開となった。
市場動揺の震源地、中国の株式市場でも人民元切り下げに端を発する混乱は広がりをみせた。
2%安で始まった中国・上海総合指数だったが、人民元の下落が資本の流出につながるとの懸念から、投資家の間でパニック的な売りが加速。
7%を超える相場変動でその日の株式・先物の売買を取引を停止する「サーキットブレーカー」が発動した。
7日の取引は始まってわずか30分で終わってしまった。
2016年から導入された「サーキットブレーカー」の発動は導入初日の1月4日に続き、早くも2回目だ。
8日から解除されるはずだった大株主による株式売却の解禁も延期されるなど、中国の株式市場の動揺は続いている。
投資家の頭によぎるのは昨年8月の光景だ。
人民元の切り下げをきっかけに、投資家のリスクオフ、株安が全世界に波及した。日本株の下落はもちろん、新興国からは資金が流出し、米利上げの時期にまで影響を与えたことは記憶に新しい。
2016年も昨年と同様に新興国への懸念が膨らめば、米利上げの意義が問われかねない。
これからも、日本時間の10時15分に発表される人民元の基準値に注目する日々がしばらく続きそうだ。